好奇心旺盛な車いす女子ブロガーのコロです。DisabilityLogで、デザイン・システム全般を総括するディレクターを担当しています。可愛いもの・ディズニー・オシャレが大好きです。デジタルアートやNFTにも興味があります!
私自身生まれつき身体に障がいがあるため、何度も手術・入院したことがあります。リハビリというものに向き合う時間が普通の人よりも多い日々を過ごしてきました。一時期、長期入院にもなり、リハビリテーションセンター併設の学校に転校しました。その間、病院で勤務している医師や看護師、理学療法士や作業療法士の方々、特別支援学校の先生方など、本当にたくさんの方に支えて頂きました。その当時は、リハビリというものは、対面でやるのが当たり前だと思っていました。
ですが、今は、人と接触しなくとも、自宅で自分で好きな時に動画を見てストレッチなどの体操ができるようになりました。新型コロナウイルスの影響もあって、病院に行くと感染リスクを高めてしまいます。外出によるリスク軽減にも繋がるアプリは今の時代にまさしく相応しいですよね。
そこで、車いすの私でも椅子に座りながら簡単なリハビリができる、リハビリアプリ「イエリハ」について、体験談も踏まえながら詳しく紹介したいと思います。
おうちで楽しむリハビリテーション
イエリハとは
無料で自宅で座ったまま、リハビリができるアプリです。
以下、イエリハの詳細情報を引用すると、このように記載されております。
寝たきり予防や介護が必要な状態の改善のため、リハビリは大変重要です。
通いの場やデイサービスなどでリハビリを受けている方も多いと思います。しかし、そうした場でのリハビリだけでは十分でないこともありますし、また地域で感染症が流行していたりすると、開催されなかったり、参加したくなくなる、ということもあるのではないでしょうか。
このアプリでは、介護が必要になった高齢者の方や介護予防を実践したい高齢者の方がご自宅(イエ)でリハビリを続けられるようにするため、運動や日常動作の訓練、栄養や口腔ケアなどについて、リハビリの方法を紹介するとともに、リハビリを習慣にできるよう毎日の頑張りを見えるようにするなどの工夫をしています。
何に気をつけてどのような運動をすればよいか、どのように日常生活動作の訓練を行うのか、栄養や口腔ケアで気をつけるべき点はなにか、などリハビリの具体的な方法を提案するため、多職種の専門家が共同で開発しました。
本アプリは令和3年度広島県地域医療介護総合確保事業により、広島県慢性期医療協会、広島大学大学院共生社会医学講座・精神機能制御科学研究室が制作しました。
イエリハ – 自宅でできるリハビリガイド
イエリハの特徴
- 運動、日常生活動作、口腔ケア、栄養それぞれについて具体的なリハビリ方法の提案
- 各領域の専門家が選んだ、ご自宅で効果的かつ安全にできるリハビリの解説
- 画像や動画でリハビリ方法を可視化
- 栄養、食品についてなどの様々な資料添付
- 毎日行うリハビリ方法を選択・記録可能
イエリハを試してみた、障がい者・当事者の感想
私が試した所感を申し上げますと、家で座りながらできるのが、画期的でした。自分でやりたいリハビリを自分のペースで選択できるのはよかったです。アニメーション解説付きで、文字やイラストを追うよりもイメージしやすく、今までにはない体験をアプリで体感することができました。
最初、自分で設定したリハビリメニューを一通りすべてこなすには、30分かかりました。慣れてきたら、徐々にリハビリ内容も覚えて早くできるかもしれませんが、時間に余裕があるときにコツコツと取り組んでいきたいです。
楽しみながら、毎日の頑張りが見えて、モチベーションアップになり、健康な体に近づける。そんな一歩を踏み出すためにも、継続的に家でリハビリを続けたいと思いました。
レビューをするなら、★5つと評価したいです。
YouTubeで音声解説付きの動画まとめがあるとさらに良いと思いました。
他にもリハビリアプリというものはいくつかあるそうなので、それらも随時やってみたいと思います。寝ながら運動できるアプリがあったら、挑戦してみたいです…
「イエリハ」アプリのダウンロード方法(iPad/iPhone)
アプリのダウンロードは「イエリハ」で検索するか、以下のリンクをご利用下さい。
App Storeの場合:
入手⇒インストール⇒開く⇒アプリを立ち上げる
上記の順番で、アプリのセッティングは完了!
iPadにインストールすると、画面が大きくて見やすいのでおすすめです。
次項から、実際のイエリハアプリの使い方を説明します。
アプリの表示向きは自動的に縦方向になります。
イエリハの使い方
初期設定
①同意する(※注意事項をよくお読みください)
②次へ
③始める
リハビリを登録する
1か月取り組みたいリハビリをタップして選択します。
※後からリハビリの変更も可能です
(設定から登録したリハビリを変更というボタンがあります)
15分から30分が目安です。
登録リハビリ時間が合計で30分を超えた場合、それ以上のリハビリは選択できません。
運動を開始してみよう
トップから「運動を開始」のボタンを押すと、リハビリ開始!
結構難しいものもありますので、無理せずできる範囲でやってみましょう。
次のリハビリに移るには、一番下までスクロールして、「次のリハビリへ」かもしくは「閉じる」を押します。
1日のリハビリがすべて終わると、本日のリハビリ充実度に点数をつけましょう。
その後、栄養情報についてのメッセージがポップアップで表示されます。
確認したら、閉じて1日のリハビリが終わります。
継続日数は30日(1か月)
アプリを開いて達成すると、カウントされていきます。
日に間が空いても、その続きから日付が加算されていきます。
覚えてきたら、何かをしながらリハビリして、時間を有効活用してみたいです。
特に、テーブルふきは机がきれいになるので、毎日やりたいおすすめのリハビリですね(笑)
リハビリメニューの分野と種類
運動
体幹筋力 | 体を強くして、まっすぐ歩きましょう |
上肢筋力 | うではしっかり曲げましょう |
下肢筋力 | 足腰きたえて出かけましょう |
バランス | バランスが良いと美しいですよ |
体力 | きつければ、休んでもいいですよ。また戻ってきてください。 |
日常生活動作
指の動作 | 生活では指先の動きが大切です。少しずつで良いので続けましょう。 |
にぎる動作 | うまくできなくても大丈夫ですよ。ゆっくりやってみましょう。 |
手首の動き | お茶をついだり、ドアノブを回すときなの動きがスムーズになります。 |
腕の曲げ伸ばし | 遠くのものに手が届きやすくなります。 |
口腔ケア
口の清掃 | 歯磨きや義歯磨きですっきりお口になりましょう。舌磨きも忘れずに。 |
口の保湿 | 十分に濡れたお口はしゃべりやすく、食べ物も食べやすくなりますよ。 |
口・飲み込み機能 | お口の機能を保てば色々なものが食べられ栄養を取りやすくなりますよ。 |
食欲 | 適度な運動でおなかをすかせましょう。空腹は最高のごちそうです。 |
栄養
- 食材のたんぱく質量
- 栄養補助食品一覧
運動一覧
アプリでは、イラストと動画付きで解説されております。
ここでは、どのようなものか文字情報で紹介させて頂きます。
いずれリハビリメニュー覚えられるくらいまでにマスターさせたいですね!
体幹筋力
- 両肘を膝につける(10回)
- 肘を反対の膝につける(左右交互に10回ずつ)
- お尻を上げて6秒とめる(6秒間×5回)
- おへそに両手を当て、前に突き出すように体を伸ばし、お腹に力を入れる(6秒間×5回)
上肢筋力
- 肩をすくめる(左右同時に20回)
- 手を前に上げる(左右同時に20回)
- 手を横に上げる(左右同時に20回)
- 腕の曲げ伸ばし(左右同時に20回)
- グーパー(左右同時に20回)
下肢筋力
- もも上げ(左右交互に20回ずつ)
- 膝を伸ばす(左右交互に20回ずつ)
- つま先とかかと挙げ(左右同時に20回ずつ)
- 膝を伸ばして足を開く・閉じる(左右同時に20回ずつ)
- お尻を上げて、6秒とめる(6秒間×5回)
バランス
- 前に手を伸ばす(利き手で10回)
- 横に手を伸ばす(左右10回ずつ)
- 片方のお尻を上げる(3秒間×左右5回ずつ)
体力
- 手を振って足踏み(30秒間×2回)
- エアエルゴ(30秒間×1回)
- 立ち上がる(30秒間でできるだけ)
指の動作
- 指で大豆をつまんでとなりに移す(15粒×2往復)
- 選択ばさみをつまんで箱のふちに全部止めたら外す(15個)
にぎる動作
- 直線に沿って、はさみで切る(A4サイズの紙で8~10本)
- ゴムボールを握る(20回)
手首の動き
- 乾いたタオルを絞る(10回)
- 空のペットボトルや空き箱をひっくり返して元に戻す(20回)
腕の曲げ伸ばし
- タオルでテーブルふき(20回)
- タオルを2回たたんで広げる(10回)
口の清掃
- (歯磨き)毛先を歯肉の反対方向に少し傾けて歯と歯肉の境にあて、少し押し込むように小さく振動させ、毛先が歯と歯の間に入った後、毛先が歯と歯の間から抜け出さない程度に左右に振動させる。2分間(多数の葉が残っている場合は3分間)
- (義歯磨き)流水下で1-2分間
- (舌磨き)後ろから前へ20秒間ほど軽く擦る。(舌ブラシまたはやわらかめの歯ブラシを使用)
口の保湿
- (耳下腺マッサージ)耳の下方に親指以外の4指をあて円を描くようにマッサージする。その後、唾液が通る管から唾液が出るように前方を押す。数回繰り返す。
- (顎下腺マッサージ)顎の奥から手前にむけて両手の親指で少しずつずらしながら押し上げる。数回繰り返す。
- (舌下腺マッサージ)顎下の部位を両手の親指で上方に押し上げる。数回繰り返す。
口・飲み込み機能
- (姿勢)椅子にリラックスして腰かける
- (深呼吸)お腹に手をあてて、ゆっくり深呼吸する
- (首の体操)①ゆっくり後ろを振り返る②耳が肩につくようにゆっくり左右に倒す③首をゆっくり左右に1回ずつ回す
- (肩の体操)①両手を挙げて左右にゆっくり倒す②肩をゆっくり上げてストンと落とす③肩を前から後へ2回、後から前に2回まわす
- (口の体操)①大きく口を開けるしっかり噛むを繰り返す②口をすぼめたり横に引き締めたりする
- (頬の体操)頬を膨らませたりすぼめたりする
- (舌の体操)①舌をべーと出す②舌をのどの奥の方へ引く③口の両角をなめる④鼻の下と顎の先をさわるようにする
- (頬の体操)パ・ピ・プ・ペ・ポ・パ・タ・カ・ラを繰り返し言う
- (咳払い)お腹を押さえて、えへんと咳をする
- (おでこ体操)おでこに手をあてて後方に押すように力を入れ、頭は前に倒すように力を入れる(5秒間力を入れ、5秒休みを5-10回)
食欲
- 膝を伸ばす(左右交互に20回ずつ)
- 手を振って足踏み(30秒間×2回)
- エアエルゴ(30秒間×1回)
STたあ様「リハアプリ」のインタビュー
取材の経緯
私自身車いすを外出時に使用しており、立って運動するのがなかなか難しいので、何か家で座りながらリハビリができるアプリがないかお尋ねしたところ、「イエリハ」を言語聴覚士(ST)のたあ様からご紹介いただきました。
たあ様は、プロフィールにも記載されております通り、教師から言語聴覚士という少し変わった経歴をお持ちで、目指した経緯も明白で、話を聞いていくうちに次第に心が打たれました。
というのも、「それぞれの人生に寄り添ったリハビリに感動したその経験」を提供したいという志のもと、進路を変えてまでも、まったく別の職種にチャレンジした素敵な方だったからです。
DisabilityLogのプロフィールでも協賛者様として紹介させて頂きました
言語聴覚士のためのリハビリアプリ紹介
たあさん自身、言語聴覚士として働く中で、STの訓練がアナログなところがあると感じてこられました。そこで、「デジタルな要素を入れれば、物を準備する時間が減ったり、患者さんが楽しくリハビリできたりするのではないか」「STに患者様が楽しめるリハビリを提供してほしい」「マンネリ化してくる、やらされ感のあるリハビリに効果的な教材・アプリがあれば演出があって楽しいのではないか」「ゲームは子供が楽しみながら、考え方やとらえ方を変えてできるかもしれない」と考えて、「アプリ」をブログで紹介し始められました。
主にST向けに専門セラピストの知識を踏まえたリハビリに使えるアプリやリハビリ方法のご紹介がメインですが、最近ではST向けのST支援のための「教材発売」などに力を入れているそうです。
専門分野は、以下の3つです。
- 高次脳機能障害…考えることが苦手
- 嚥下(えんげ)障害…飲み込む・食べるのが苦手
- 構音障害…しゃべることが苦手
興味のある方、特にSTの方は、ぜひ「リハアプリ」を覗いてみてください。
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知育アプリ「シンクシンク」の効果を取材と論文をもとに考察
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リハアプリの可愛いキャラクター
リハアプリの記事内の吹き出しやWEBサイトの画像の中に何度か登場している人間型のキャラクター。ノーマルタイプが男の子のリハくん。赤いリボンがついてる方は女の子でアプリん。色んな表情があって、感情豊かで、手書き感もまた親しみやすいですね!とってもイラストが可愛くて気になって、この2つのキャラクターについてお聞きしました。
ちなみに、イラスト作成者は奥様だそう…!褒めたらとても喜んでくださりました。車いすバージョンも期待!!いつかどこかで巡り合えるといいなぁと思っております☺
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